研究課題/領域番号 |
07453003
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高 哲男 九州大学, 経済学部, 教授 (90106790)
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研究分担者 |
中村 廣治 熊本学国大学, 経済学部, 教授 (30040778)
磯谷 明徳 九州大学, 経済学部, 助教授 (60168284)
田北 廣道 九州大学, 経済学部, 助教授 (50117149)
関 源太郎 九州大学, 経済学部, 教授 (60117140)
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キーワード | 制度経済学 / 法と制度 / 社会進化論 / 経済文化 |
研究概要 |
3年計画のうちの初年度の研究課題は、1.「慣習法」や「制度」を分析対象として理論に組み込んでいった経済的著作を、現代、国、学派、分析領域ごとに分類し、それらすべてを階層的情報としてデータ・ベース化すること、および2.その作業を通じて、次年度から検討を進める問題具体的領域を絞り込んでゆく、という2点であった。 1.ワークステーション(ユニックス・マシーン)を中核とする共同利用データベース・システムを構築する作業は、パーソナル・コンピューターの基礎知識しかもたない我々にはかなり困難な作業であり、かなりの時間をこれに費やした。結果的にデータベース作成の作業は予定より大幅に遅れてしまった。最大の困難は、「法と制度」という曖昧な、かなり重なり合う領域における概念的な区別を「コンピュータにどのように判断させる」ような「ソフト」をつくればよいかという「技術的」な問題を、うまく解決できないことであった。法と制度をたんに概念的に分類・区分けするだけでなく、「歴史段階」的な区別を持ち込んで両者を「結合」させる試みを、次年度行う予定である。文献調査・収集の作業については、それぞれかなりの成果を上げることができた。 2.各自の調査・研究の成果をもとに議論を重ねてきた結果、「制度(institution)」概念は「慣習(思考習慣)として」の制度、「法としての」制度、「社会秩序(体制)としての」制度という3領域から主として構成されていること。したがって、制度形成・発展論・制度機能論、制度と制度の関係論、制度文化論に集約・整理した上で、経済史的な「段階」区分に文化人類学的視角からの「社会秩序(体制)」類型を重ね合わせ、主要な経済学・思想をそれぞれ内的統一性をもつ社会秩序分析論として再構成することが研究遂行上のポイントだと、分かってきた。
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