これまでの何回かのドイツ連邦文書館でのドキュメント探索の仕事で見当を付けていた文書類のうち、戦争末期に関するドキュメントと関連文献を集めながら、さあしあたり、赤軍の接近に伴って疎開し、逃亡していく東部ドイツ人住民(オストプロイセン、ヴェストプロイセン、シュレ-ジエン、ポンメルンなどの住民)の動向を、オストドキュメントを元に、明らかにしてきた。ライヒ経済省、ライヒ大蔵省関係のドキュメントも少し収集し、資料を整理した。 最初はバルト地域などからのドイツ人避難民の受け入れ地だった東部ドイツの各地域の住民が、次第に迫ってくる戦線の圧迫下で、一時的な仮の非難を目指して故郷を出発するのであるが、その一時的対応が実は永久的なものになっていくプロセスと民衆意識の変遷がかなり明瞭に浮かび上がってきた。資料解読の成果の一部は、『経済学季報』第45巻第1号に、関連するアウシュヴィッツ問題との関連では第2号に、発表した。
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