研究課題/領域番号 |
07453011
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田中 素香 東北大学, 経済学部, 教授 (20094708)
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研究分担者 |
岩田 健治 福岡大学, 商学部, 講師 (50261483)
野内 美子 東北大学, 経済学部, 助手 (90261487)
藤川 和隆 東北大学, 経済学部, 助手 (70261485)
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キーワード | 為替媒介通貨 / 国際ポートフォリオ投資 / コンヴァージェンス・トレイド / EMS / ドイツ・マルク / 欧州金融統合 / 機関投資家 / 欧州通貨統合(EMU) |
研究概要 |
研究代表者は「ドイツ・マルクの為替媒介通貨化と国際ポートフォリオ投資-「コンヴァージェンス・トレイド」を題材に-」(研究年報『経済学』(東北大学)、第57巻4号、1995年)を発表し、1992年に外国為替市場で発生した欧州通貨危機を題材に、EMSの下での国際ポートフォリオ投資の一手法であるコンヴァージェンス・トレイドと結び付けてマルク為替媒介通貨化を解明している。 また、数度にわたる研究会の成果として、研究代表者編著の『EMS(欧州通貨制度)-欧州統合の焦点』有斐閣、の刊行が予定されている。この著書は、ドイツ・マルクの為替媒介通貨化と欧州金融統合の背景となっているEMS(欧州通貨制度)をとりあげ、70年代にまで遡って詳細な分析を試みている。同著の第6章では、研究代表者が、マルク為替媒介通貨化が生じた時期にあたる1988以降の「新EMS」の特徴を資本移動自由化との関連で分析し、第9章「EMSの危機とイタリア、スペイン-周辺国の政策協調問題」では藤川が、同じ時期に域内周辺国にまで及んだ証券投資の意義と問題点を指摘している。第8章「フランスの『強いフランス』政策とその帰結」では研究代表者と野内が、EU通貨統合を準備するに至るフランスの立場を明らかにし、EMS参加諸国におけるフランスのパフォーマンスを分析した。さらに第11章で岩田は、機関投資家の域内分散投資が外国為替市場でドイツ・マルクへと集中する論理を、機関投資家による為替エクスポ-ジャーのヘッジ手法と関連付けて論じた。どの章も新たな知見と規点とを提供しており、本テーマに関する我が国の研究を一歩進める意義を有している。 なお当初予定されていた英文ワーキングペ-パ-の刊行は遅れているが、平成8年度の課題として引き続きその実現を追求する。
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