本年度の最大の研究課題であったであった技術連関構造の解明については、本研究費のおかげでほぼめどがつき、その成果は、『技術連関の経済学』(林・菰田・西山共著、多賀出版、1997年7月)として出版されることになっている。特に、科学技術論文のデータ・ベースを集中的に使用するための経費を本研究費によって賄うことができたことが大いに役だった。 また、日米間の技術開発システムの相違点の解明は、露光装置関連の技術を中心に、かなり進められた。これによると、米国の研究体制を発表された科学技術論文から検証した場合には、研究者の主要所属機関である、大学・企業・研究所間でほぼ4対3対3の割合でバランスが保たれているのに対して、日本の場合には、2対7対1となっており、あまりも企業に基礎的研究の比重がかかりすぎる構図となっていた。このことは、企業が基礎研究を賄うだけの研究費を負担できなくなった場合には、日本の基礎研究の基礎が崩壊する危険性を多分に有していることを意味している。これに関する研究成果は、「研究開発能力の日米比較と研究能力」(『産業学会年報』1997年3月)に掲載される予定である。また同成果は、Academy of International Business年次総会(1997年10月メキシコ)でも発表予定である。 ただし、こうした研究成果と同時に、技術連関表の作成過程に於いては、「ハードウエア技術」と「ソフトウエア技術」間の技術連関の具体的展開がいまだ数量化する点において不十分性を抱えたままであるので、次年度中にはなんとか解決する所存である。
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