研究概要 |
本研究の目的は、どのような技術がどのような技術と関連し合っているのかを定量化することによって、技術群全体の技術連関の構図を明らかにすることにあった。これによって、技術群のなかでどの技術が機軸的役割を果たしているかが明らかになり、したがってこの機軸的役割を果たす技術群(クラスター)の研究開発のためにはどの技術分野に力点を置くべきか、そしてどの企業との戦略的提携を行うべきかが見えてくることになる。本研究では、そのための分析手法として、科学技術論文の検索から技術の連関を検証していくことを試みてきた。 技術連関のメカニズムを、露光装置関連技術から検証した結果、リソグラフイ-技術を中核的技術群として、その回りをX線、回路パターン形成、フォトレジスト、等の技術群が二次的技術群を構成し、そして電子ビーム、フォトマスク、高分解能、位相シフト、等々の技術群が三次的技術群を構成していた。これらの技術群は相互にネットワーク的に関連しあってはいるが、それはあくまで中核的技術群を中心にクラスター的に技術連関を成していることが判明した。これら技術の開発システムを含む理論的成果は、Technology Transfer:from Invention to Innovation (NATO Advanced Research Workshop,Budapest)での招待報告、林・菰田・西山・金子共著『情報通信と技術連関分析』(中央経済社、第3章、第4章)および林・菰田・西山共著『技術パラダイムの経済学』(多賀出版、第5,第6,第7章)に発表することができた。
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