研究概要 |
本研究の最後の年度である今年度は,今までのFrobenius写像のsplittingから得られる諸概念と共にイデアルのadyointの概念,Hilbert-Kung重複度などの研究を行った. Hilbert-Kung重複度はFrobenius写像の性質と密接に関り合い,値が実数値(実例はすべて有理数)で整数ではないため,特異点の性質を守り精密に反映する,これに関して 1.Hilbert-Kung重複度が1という条件が正則局所環を特徴付ける事が示せた. 2.Hilbert-Kung重複度の分母が「商特異点」などでは作用している群の位数を与える事が示せた. 3.2次元の特異点で小さい(9/4未満)のHilbert-Kung重複度をもつ環の分類ができた. イデアルのadjointの概念はJ.Lipmanによって導入されたが,特異点の解消のexceptional divisor,ひいてはFrobenius写像のsplittingとも密接に関係する. これらを研究するに当って計算機のサポートとMaple等のソフトの支援が有効だった.これらを本科研費から支当した. また研究成果をBoston,Purdue大学,国内の諸集会で発表した.その旅費を本研究費より支出した.
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