研究課題
一般研究(B)
研究代表者を中心に、主として、複素解析的特異葉層構造の留数についての研究、及びそこでも用いられたCech-de Rhamコホモロジー群およびstratifyされた空間上の積分理論の応用について研究を行った。具体的には次の通りである。(1)複素2次元正則ベクトル場の非特異不変曲線に関する、Camacho-Sadの指数の理論を、不変曲線が特異点を持つ場合に拡張した。これに関する論文はProceedings of the American Mathematical Societyに掲載された。(2)D.Lehmannとの共同研究において、上記(1)をさらに一般次元で考察し、複素解析的特異葉層構造の不変部分多様体に関する留数について、不変部分多様体が特異点を持つ場合にも留数を定義し、留数定理を証明した。またこの留数の計算法を求め、これが、いわば“相対的Grothendieck留数"で表わされることを示した。これらの結果は共著論文として、Journal of Differential Geometryに掲載された。(3)D.Lehmann,M.Soaresとの共同研究において、局所完全交差多様体の仮想接束に対する留数理論を展開し、特別な場合としてGomez-Mont.SeadeおよびVerjovskiの指数を得ることを示し、応用を与えた。これらの結果は共著論文として、Boletim da Soc.Brasileira de Mat.に掲載された。(4)開多様体上の葉層構造のBaum-Bott留数に対する留数定理、およびその応用についてJ.Seadeとの共同研究を行った。これに関する共著論文はMathematische Annalenに掲載予定である。
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