研究分担者 |
山ノ内 毅彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30241293)
新井 朝雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80134807)
林 実樹広 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40007828)
中路 貴彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30002174)
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研究概要 |
C環上の自己同型写像(量子力学の離散モデル)について次の結果を得た。次元群として全順序可換群をもつような近似的有限次元環の自己同型写像で(一意的な)トレースを何倍かするようなものは本質的に一意(正確にはその共役類の閉包は一つ)であることを示した。これは,エルゴード理論におけるローリンの性質をこの場合に適用可能なように拡張しかつ実証することによって得られたものであり、量子化の成功例と考えられる。また,このことや既知のことを合わせると,量子系と古典系の著しい違いがみてとれる。量子系においては種々の対称性の違いは単に観測者の立場の違いに帰着される。但しこれは一口に量子系といつても観測量の選び方に強く依存する。まだ物理系のモデルとしては採用されていないがAV環といわれるものの場合は,共役類はおろかホモトピー類も一意でない。このことはKK理論によって“準"自己同型写像について予想されるが,実際にこのことを確認した。ローリンの性質,共役類,ホモトピー類等について現在も調べている。
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