研究分担者 |
高橋 智 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70226835)
竹腰 見昭 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20188171)
作間 誠 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30178602)
難波 誠 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004462)
臼井 三平 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90117002)
|
研究概要 |
我々のとった研究計画,研究方法は概ね次のとうりであった. (i)対称化可能でない強双曲系はどのように特徴づけられるか. (ii)対称化可能な系の双曲摂動を研究する. (i)については以下の結果を得た.Lをm×mの一階偏微分方程式系とする.hでLの主シンボルの行列式を表わすとするとき,我々の得た結果は概略次のように述べられる:Lが強双曲系ならば,すべてのm-1次行列式印紙kに対しh+kに対するCauchy問題が適切となる.さらに考えている特性点zが包合的ならば,系が強双曲系となるためには,KerL (z) ∩ImL (z)={0}が必要である.このときLのKerLに沿ったテイラー展開は一次の項L_zから始まる.これはLをKerL上で近似するものでLの局所化と呼ばれる.さてzとwが各々系Lおよびその局所化L_zの特性点でさらに(z, w)が包合的ならば,Lが強双曲系であるためにはKerL_z (w) ∩ImL_z (w)={0}が必要である. (ii)については我々はまず,非退化特性点の概念を得た.zが非退化であるとはKerL (z) ∩ImL (z)={0}でL_zの次元が極大でさらにL_z (w)はすべてのwに対して対角化可能のときをいう.我々の得た主結果は双曲系は非退化特性点のまわりで対称化できるというものである.このことから非退化特性点の安定性が従う.すなわち,系に双曲摂動を加えても,非退化特性点は消えない. 我々はこの研究をさらに推し進め次の結果を得た.Lをm×mの対称双曲系とする.今Lの次元がm (m+1)/2-m+2より大ならば,一般に,Lの双曲摂動は自明,即ち,摂動された系は再び対称化可能である.
|