研究課題/領域番号 |
07454028
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高野 恭一 神戸大学, 理学部, 教授 (10011678)
|
研究分担者 |
野海 正俊 神戸大学, 理学部, 教授 (80164672)
樋口 保成 神戸大学, 理学部, 教授 (60112075)
佐々木 武 神戸大学, 理学部, 教授 (00022682)
壁谷 喜継 神戸大学, 理学部, 助手 (70252757)
相沢 貞一 神戸大学, 理学部, 教授 (20030760)
|
キーワード | ホロノミック系 / パンルヴェ系 / 初期値空間 / シンプレクティック構造 / 超幾何微分方程式 / q-差分方程式 / リー環的対称性 |
研究概要 |
この研究課題で扱ったホロノミックな微分方程式系は、パンルヴェ系と一般超幾何微分方程式であった。微分方程式系ではないが、q-差分方程式系も研究対象であった。 パンルヴェ系については、第Jパンルヴェ系の定義空間E_Jの研究をした。空間E_Jは岡本和夫氏が十数年前に構成したもので、結果的に時間変数の空間B_J上のファイバー・バンドルである。各ファイバーを初期値空間という。研究代表者は昨年度すでに空間E_Jにある意味でのシンプレクティック構造が入るという結果を得ていたので、今年度は空間E_J上いたるところ正則なハミルトンの正準方程式系は第Jパンルヴェ系に限るかということを調べた。その結果、多分除くことが出来るある条件の下で、この予想が正しいことを確かめた。連立1次方程式を解くという極く初等的な方法で証明される。この事実は、パンルヴェ系の解曲線の大域的性質の研究が初期値空間の幾何に還元されるという点で重要と思われる。ただこの初期値空間はコンパクトでないので、知られている一般理論をそのまま適用出来る訳ではない。 超幾何微分方程式については、微分方程式系E(3,6)の作り方を反省して、(k-1)次元複素射影空間内のn個の超平面と1個の2次超曲面の配置空間上の微分方程式系を研究した。k=3, n=4のときが代数幾何的に重要な対象である。一般の場合に、この微分方程式系の生成元を書き下し、既知の方程式系との関係を調べ、さらに方程式系のリー環的対称性を求めた。また、k=3, n=4の場合に、独立な解の構成や交叉形式の計算などを行なった。 以上の研究において、設備備品費で購入したワークステーションやX端末は、大きな役割を果たした。
|