研究課題/領域番号 |
07454030
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
赤平 昌文 筑波大学, 数学系, 教授 (70017424)
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研究分担者 |
小池 健一 筑波大学, 数学系, 助手 (90260471)
西村 泰一 筑波大学, 数学系, 講師 (70135614)
南 就将 筑波大学, 数学系, 助教授 (10183964)
神田 護 筑波大学, 数学系, 教授 (80023597)
杉浦 成昭 筑波大学, 数学系, 教授 (20033805)
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キーワード | 区間推定 / 離散分布 / 検定 / 2変量正規分布 / 相関関数 / Cornish-Fisher展開 / パーセント点 |
研究概要 |
統計的推測の高次漸近理論の区間推定および標本相関係数の分布パーセント点への応用について研究し、いずれの場合にも有用な結果を得ることができた。通常、離散分布の場合に、与えられた大きさをもつ非ランダム検定または信頼区間を求めることはできない。実際の大きさが、予め与えられた有意水準とは全く異なるようなことが時々起こる。一方、ランダム方式は理論的には優れているが、実際家にとっては容易に受け入れ難い。そこで本研究において最適なランダム検定、すなわち一様最強力不偏検定からランダム信頼区間を構成し、十分統計量の分布のEdgeworth展開を用いてその近似について論じた。またPoisson分布、2項分布の場合にその近似が精確であることも数値的に確かめた。次に2変量正規分布の相関関数pの推測は重要な問題の1つであり、従来、Fisher変換と呼ばれている標本相関関数Rを変換したもののCornish-Fisher展開によって高次までの近似を行って、Rの分布のパーセント点を考えるのが一般的であった。しかしこの方法では数式処理で行わざるを得ない面もあって、複雑過ぎる嫌いがあった。そこで本研究では、全く別の方法で以前研究代表者が非心十分布のパーセント点の近似式を導出した方法と類似のやり方で行った。実際、Rの分布を正規統計量と2つのカイ統計量との線形結合による統計量の分布にして、その分布にCornish-Fisher展開を適用して、Rの分布のパーセント点の新しい近似式を導出した。その近似式について数値計算を行った結果、そのパーセント点は標本の大きさが20のときにpが1に近い場合を含めて小数点以下4桁目までほぼ真値に近いことを示した。また従来の近似式よりもかなり改善されることも示した。 上記の研究成果は、ほぼ研究実施計画通りに実行されて得られた。それらの成果の応用面への適用範囲は大きいと思われる。また関連分野の研究者との研究打合せ等は非常に有効であった。
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