研究課題/領域番号 |
07454034
|
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
田中 洋 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70011468)
|
研究分担者 |
谷 温之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90118969)
金井 雅彦 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (70183035)
前田 吉昭 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40101076)
鈴木 由紀 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (30286645)
前島 信 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051846)
|
キーワード | ブラウン運動 / ホワイトノイズ媒質 / 極限定理 / 流体力学極限 / 自己相似過程 / 群作用の剛性 / ナビェ・ストークス方程式 / 自由境界問題 |
研究概要 |
本研究は、数学の諸分野とくに確率論・エルゴード理論・微分幾何学・偏微分方程式等の研究者により、確率論および関連解析学の研究を行うことであった。 確率論に関しては、(i)ホワイトノイズ媒質の中においてドリフト係数κをもつブラウン運動を考えたとき、その長時間後の振舞いはκが小さいときと大きいときとでは著しく異なる。κが小さいときは安定分布型の極限定理が得られ、κが大きいときは中心極限定理が得られた。この際中心極限定理は、媒質を固定した場合とランダムとした場合に分けて議論されるが、とくに前者の方がより興味ある結果である(田中)。(i)オペレーター自己相似過程の極限定理において収束の速さに関する新しい結果が得られた(前島)。(iii)1次元格子上の実数値スピン場の時間発展を記述するマルコフ過程の構成の問題とその流体力学極限に関し新しい結果が得られた(鈴木)。 塩川により超越数論の研究がなされ、とくにヤコビ・テ-タ級数の値の代数的独立性と、フィボナッチ数に関連するある種の級数値の超越性の証明を通して、Liouvilleの一予想(超越数に関するもの、1851)が解決された。 微分幾何学の研究については、コンパクト多様体のリーマン計量全体の空間における微分同相号像の群の研究がなされ、その群軌道の平均曲率の定義がゼータ-関数を用いて与えられ、かつその性質が調べられた(前田)。確率論との関連においては、群作用の剛性問題に対して確立解析を用いる新しいアプローチが金井により提唱された。 偏微分方程式、とくに流体の方程式の研究においては、表面張力が作用しているとき3次元非圧縮ナビェ・ストークス方程式の自由境界問題の時間局所解の一意性が証明された(谷)。
|