本年度は移動天体観測用に最適化したドリフトスキャン型のCCDを制作する事を中心に作業を行っている。旧来のCCDは各画面毎に画像を取り出していたが、天体の移動に合わせてCCDの電子移動を行う事によって、これまでより限昇等級を3等級あまり下げる事ができ、しかも帯状の部分を連続操像できる事が示せた。 観測では旧来の撮像方式により得た画像から軌道決定がどれ位の精度で行えるかをテストした。視野内の参照星の数に依存するが、一般的には、0.5秒角の位置決定が可能である事を明らかにした。ドリフトスキャン型では、より一層の精度向上が可能である。 理論的には、小惑星分布を仮定し、どのような手順で観測するのが全検出にとって効率が良いかシュミレーションを続けている。 これからの作業により、平成8年度の本格的な観測の準備はできたと考えている。
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