(1)気球搭載型伝導スペクトロメータの粒子識別能力を向上させるために、シリカエアロジェルを用いたチェレンコフカウンタの開発を行った。大型のエアロジェルカウンタを製作するために、300×300×60mm^3という大きなシリカエアロジェルの製作を試み、また高エネルギー研究所の陽子シンクロトロンを用いてビームテストを行ってチェレンコフ光量の測定や粒子識別能力の評価を行った。 (2)高空での一次宇宙粒子線中の陽子・ヘリウムのエネルギースペクトラムの測定を平成7年7月にカナダ・マニトバ州で行った。気球飛翔実験は約20時間に行われ、およそ460万の宇宙線の事象を観測した。観測データは現在解析を進めているがこれまで3年間にわたって同じ測定器を用いてエネルギースペクトラムを観測したことによって、太陽モジュレーションの効果も観測することができた。 (3)地上レベルでのミュー粒子の流則・エネルギースペクトラムを測定するために、超伝導スペクトロメータ下部に鉛・アクリルチェレンコフカウンタからなるシャワーカウンタを設置し、平成7年12月に高エネルギー物理学研究所において数日間の観測を行った。得られたデータは現在解析を進めている。 (4)一次宇宙粒子線と大気の相互作用をシミュレーションする計算機コードの整備を進め、その妥当性の評価を進めている。
|