本研究の第一目的である、今までの100倍の感度を持つ超高感度ラドン検出器の開発に成功した。この検出器によってスーパーカミオカンデ内の純水中及びラドンフリーエア-中のラドン濃度を0.01(Bq/m^3)までリアルタイムで連続測定することが可能となった。これらの10台のラドン検出器は平成8年3月にはスーパーカミオカンデに設置され、マイコンとワークステーションを用いたラドン観測ネットワークによって遠隔地からでも操作することが可能となった。 現在ラドンフリーエア-中のラドン濃度は0.01(Bq/m^3)以下であり、またタンク内の純水中のラドン濃度は約2(Bq/m^3)であり、今後純水装置の循環モードになるとラドン濃度は徐々に低下するものと予想される。 本研究の第二目的である、スーパーカミオカンデの純水中に溶けている微粒子から放出されるラドンを測定するためのシステムを組み立てた。このシステムは超高感度ラドン検出器、ハブリング用大型フラスコ、循環ポンプなどから構成されている。平成8年2月に純水を採水して持ち帰り測定した。その測定結果は純水中に溶存している微粒子によるラドン濃度は約0.1(Bq/m^3)以下であった。今後はこのシステムに加圧ろ過タンク、限外ろ過膜、逆浸透膜モジュールを接続して0.1μm以下の微粒子の除去を行って、純水中のラドン濃度を0.01(Bq/m^3)まで低下させる技術を確立する計画である。
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