研究課題/領域番号 |
07454054
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
御手洗 志郎 九州大学, 理学部, 助手 (00108648)
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研究分担者 |
中村 裕之 九州大学, 理学部, 助手 (70172434)
黒柳 登喜大 九州大学, 理学部, 名誉教授 (70037159)
郷農 靖之 九州大学, 理学部, 教授 (50016127)
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キーワード | Pecoil Distance Doppler Shift / モーメント / Silicon Ball / プランジャー装置 / 寿命測定 / 変形核 / N=Z近傍核 |
研究概要 |
前年度では、42面体のSi・ボールとプランジャー装置を同時使用して、(^<58>Ni+^<16>O)反応で異なる形状が混在するAs,Se核種の寿命測定を行った。Si・ボールの反応チャンネルの選別は予定通りであったが、ターゲットのバッキングとして使用した市販Au膜には表面の平滑さに問題があり、距離の測定精度が良くなかった。しかしながら、既知の寿命は良く1致した。As,Seの幾つかのγ線に対して、スペクトルのclean-upを用いた解析を進めている。本年度は筑波大学の加速器センターのGe-クリスタル・ボールにより^<85>Zrに対するプランジャー実験を行った。^<85>Zrは120MeVの^<33>Sを^<58>Niに照射し、α2pチャンネルにより生成された。筑波のクリスタル・ボールは中心部には直形10cmφの空簡しかないので、12面体枠の小型のSilicon ballを使用した。九大実験の経験に基づき、プランジャー装置、Chamber、ターゲット、ストッパーに改良が加えられた。其の結果を次へまとめる。 1)高い検出効率の荷電粒子とγ線の同時計測はクーロン励起、生成される放射性核種からのγ線は著しく低減され、目的核種のγ線の検出効率は保持される。 2)加工性の良いAuのバッキング(1mg/cm^2の厚さを蒸着で製作)とストッパーの使用により、プランジャー実験で重要な平滑な面を薄い枠の使用のもとで成功した。 3)2)にもかかわらず、機械的強度の関係でターゲット周りに物質が残り、ボールの検出効率が低くなる。 4)ACS-Ge検出器とSi・ボールの高いチャンネル選別能力により、荷電粒子多重度のゲートは非常に強力であり、そのスペクトルのS/Nは非常に高い。 5)主な反応核種の場合、3台のACS-Ge検出器での測定時間は短時間で済み1点あたり1時間で充分である。 ^<85>ZrではSingle particle的な低励起伏態が高くスピン・励起状態では集団的な性格が観測されている。その他、原研等において、A=80近傍核の研究をふくむSilicon ballによる実験を行っている。
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