研究課題/領域番号 |
07454056
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
竹内 富士雄 京都産業大学, 理学部, 教授 (40121537)
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研究分担者 |
吉田 拓生 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (30220651)
岡田 憲志 京都産業大学, 理学部, 教授 (90093385)
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キーワード | 量子色力学(QCD) / カイラル摂動近似 / ハドロニック原子 / トポロジカルトリガー検出器 / シンチレーティングファイバホドスコープ / 位置検出型光電子増倍管 / ピークセンシング回路 / DIRAC実験(PS212) |
研究概要 |
非摂動領域でのQCDの検証実験を目的として開発してきたトポロジカルトリガーカウンターシステムをフルサイズの形でビームを用い総合試験を行った。SCIFIホドスコープ、読み出し回路、トリガーロジック回路からなるリアルタイムトリガー回路で得られた結果を、オフライン解析およびシミュレーション計算の結果と較べ、イベント識別能力、時間分解能、位置分解能、トリガー速度などにおいて、このシステムがハドロニック原子A_<2π>からのπ^+π対を膨大な雑音から分離検出するトリガー信号を発生する能力を持つことがわかった。 (1)フルサイズのシンチレーティングファイバー(SCIFI)と位置検出型光電子増倍管(PSPM)からなる、960チャンネルのホドスコープを80チャンネル毎にモジュール化し製作した。出力波高ゲイン、減衰長などの性能を測定。 (2)ピークセンシング回路(PSC)と(1)のホドスコープを1対1に対応させ、PSPM高電圧とPSC閾値を調整し全てのチャンネルにわたって性能がほぼ均一になるよう設定した。 (3)真のπ+π-対検出と競合事象棄却のためには、このSCIFIホドスコープとイオン化エネルギー検出器(dE/dx)との組み合わせからなる複雑なトリガー論理が必要である。これをリアルタイムで行う論理回路を設計製作し(1)(2)の検出器系と組み合わせてビームによる性能試験を行った。SCIFI用のTLCでは、π+π-対の距離が1mm-9mmの範囲にあるものを高効率高速で判別し、またdE/dxホドスコープ上でのパターン識別も確認できた。 (4)高精度の時間情報と0.5mmの精度で2次元位置情報とパターン情報をリアルタイムで与えるこの検出器系はハドロニック原子A_<2π>検出のためのトポロジカルトリガーとして役割を果たすことが実験的にも確認された。
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