研究概要 |
1.Ba_<1-x>K_xBiO_3の電気化学合成法による単結晶の半導体領域試料について,中赤外領域において,間接型励起子吸収スペクトルを観察した.x=0の試料では,150K以下の温度領域においては大きな温度変化が見られないが,150Kより温度が上昇して500Kに至るまでに,急激に吸収強度が増大することが見出された.その増加活性化エネルギーは間接型励起子から予想される格子振動エネルギーより一桁大きい異常な値を示す.光学フォノンの伝導度が異常に減少する現象と関連しているとみて現在解析を行っている.xが有限の試料で半導体試料では金属半導体転移に近ずくことによるギャップ減少に対応するスペクトル変化の結果が得られた.2.BaPb_xBi_<1-x>O_3のPb濃度のx=0からx=0.16までの単結晶について励起子吸収スペクトルについては,単結晶試料においてBi欠損が大きいことがEPMAの結果から判明したので,現在試料を再度作製し直して再び測定する予定でいる.3.固溶体BaBi_<1-x>Ce_xO_3について中赤外領域スペクトルを観測したところ,多数の多音子振動スペクトルが観測された.禁制多音子スペクトルが不純物により活性化されたと考えられる.現在,この現象を理論と実験の両面からの解明を進めている.4.BaBiO_3の誘電率のRF周波数依存性の測定でピエゾ共振現象がみいだされた.この振動周波数の厚さ依存性より波動の位相速度が求められた.室温より低温に向かうとこの速度は異常に増加することが分かった.
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