研究概要 |
Ba_<1-x>K_xBiO_3の間接型励起子吸収スペクトルについて,温度上昇に伴い急激に吸収強度が増大し,さらに光学フォノンの光学的伝導度が異常に減少する現象が見出された.これはソフト間接型励起子とフォノンの連成モードによると考えられる.別種の固溶体Ba_<1+x>Bi_xO_3について試料を作製間接型励起子吸収スペクトルを測定した.xが負の試料では間接型励起子吸収スペクトルの強度は増加するのが見られた.これらを含めて励起子とフォノンの連成モードについて考察を進めている.Ba_<1-x>K_xBiO_3のxが有限の半導体試料では金属半導体転移に近ずくことによるエネルギーギャップ減少に対応するスペクトル変化が観測された.また,構造相転移に伴う赤外光学窓領域の異常な減少等が見いだされた.ギャップ減少は磁性にも影響を及ぼし,温度上昇とともに自由キャリヤ濃度が増加しこれに基づく帯磁率の増加を観測し,これを解析してエネルギーギャップの値を評価することができた.さらにこの値は光学測定によるものと一致することを見いだした.カリウム濃度とともにエネルギーギャップは減少しx=0.29の値でゼロになり金属半導体転移が生じることが分かった. BaPb_xBi_<1-x>O_3についてPb濃度が増加すると励起子吸収スペクトルの解析からエネルギーギャップが減少することを確かめた.固溶体BaPr1-xPbxO3を作製することができ,この系において金属半導体転移を調べた.赤外スペクトルの解析から酸素2pバンドと鉛6sバンドのバンド交差型の金属絶縁体転移が生じていると結論した.
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