研究概要 |
当初の目的 1.超高圧DACセルフへの氷-VI,VII単結晶の高純度サンプリング, 2.立方晶系(VII)と正方晶系(VI,VIII)における弾性定数解析法の確立, 3.氷-VI,VII相の超高圧ブリルアンスペクトルの測定, 4.観測した音速の角度依存性と理論的解析法とのコンピュータ・フィットによる音速、屈折率、弾性定数の決定、等を完了した。 これにより、世界で初めて氷-VI,VII単結晶の音速、屈折率、弾性定数等の圧力依存性を決定した。 さらに継続して、平成8年度には、 1.氷VI-VII,VI-VIII,VII-VIII相転移の考察:前年度で得られた各相でのv,n,C_<ij>の圧力および温度依存性より、各相転移点での弾性的性質の変化を詳細に観測し、結晶構造の変化とプロトンの秩序-無秩序性を考慮して相転移のダイナミクスを追求・考察する。 2.氷VII,VIII相における分子力場の評価によるVII,VIII相の非常に広い圧力域での超安定性の考察; 氷-VII,VIII相は、圧力-温度相図上で非常に広い領域を占めており、これらの超安定性の起源が注目されており、その考察の基礎となる分子力場の計算を行う。そのため、我々の実験で得られた弾性定数C_<ij>を用いて各種の力定数(バネ)モデル計算を行い、分子間および分子内のミクロな力場を評価して超安定性の起源を解明する。
|