研究課題/領域番号 |
07454068
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐藤 清隆 広島大学, 生物生産学部, 教授 (80034479)
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研究分担者 |
矢野 淳子 広島大学, 生物生産学部, 助手 (10253121)
上野 聡 広島大学, 生物生産学部, 講師 (50243605)
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キーワード | タンパク質 / 結晶成長 / 分子会合 / 動的先錯乱 |
研究概要 |
本研究は、動的光錯乱法を主に用いてタンパク質結晶化における誘導核形成機構を分子論的、あるいは速度論的に解明することを目的とした。今年度に用いたタンパク質はタカアミラーゼである。拡散係数と平均粒径の径時変化において、特定時間に劇的な変化が生じることが観察された。これはタカアミラーゼの濃度がこの時点の溶液中で著しく増加したことを示している。この時、溶液中で巨大な分子会合が生じ、それが沈降していく際にレーザー光によって錯乱光を発したと考察した。それまで弱い散乱光を発していた粒子はタンパク質のクラスターであり、時間によって粒子の慣性半径の平均値が異なるのは、ある時間におけるタンパク質の会合の度合に差があるためである。ある特定時間の溶液中で劇的な変化を遂げたのは、この時間に臨界核を形成した為であると考察した。また、タカアミラーゼ濃度を変化させると、高濃度になるにしたがい、クラスター形成が短時間で生じることも観察されている。 2光束干渉計による溶解度測定も本研究で行ったが、タカアミラーゼ結晶は溶解度の温度依存性が非常に低いことが確認された。そのため、より精度のよい測定を行うために大きな単結晶を現在作成中である。
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