研究課題/領域番号 |
07454072
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松田 祐司 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50199816)
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研究分担者 |
小宮山 進 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00153677)
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キーワード | ジョセフソン効果 / プラズマ / Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ> / 渦糸状態 / デカップリング / ビーン臨界状態 / 渦糸格子 / パンケーキ渦 |
研究概要 |
平成8年度は本科研費で購入したマイクロ波発振器を用いて平成7年度に我々が発見した高温超伝導体におけるジョセフソン・プラズマ共鳴の実験を引き続き行った。ジョセフソン・プラズマ共鳴の実験は超伝導層間の位相コヒーレンスの強さの直接的な導出を可能にする。我々はこの実験から高温超伝導体の渦糸状態についての様々な知見を得た。まずプラズム共鳴の温度と周波数依存性から渦糸液体状態では広い温度と磁場領域にわたって渦糸はほとんどc-軸方向にデカップルしていることが明らかになった。つぎに不可逆線以下の温度ではプラズマ共鳴磁場が温度下降とともに急速にゼロになる。これは温度下降にともない渦糸の配置のランダムネスが増加することを意味している。我々はこの理由が試料のab面内の磁場勾配を反映して流れるBean臨界電流が渦糸の配置をランダムにすることを明らかにした。またBi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ>では低磁場で一次相転移が観測される。この相転移線以下では3次元渦糸格子状態が実現されることは分かっていたが、転移の詳細が良く分かっていなかった。本研究によりこの転移線の直上でパンケーキ渦のガス状態になっていることがミクロな立場から明らかになった。このことから一次相転移線において渦糸格子の融解と気化(デカップリング)が同時に起こっている(昇華)ことが明らかになった。
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