1.分子線エピタキシ-(MBE)装置用の試料製作超高真空槽(液体窒素シュラウドを含む)を設計・製作した。この超高真空槽は、E型電子銃、クヌードセンセル、水晶振動子膜厚モニター、反射高速電子線回折(RHEED)用電子銃、低速電子線回折(LEED)装置、オージェ電子分光装置、試料マニピュレーター、真空排気装置、のぞき窓、試料基板導入等の各種ポートを取付けられる構造とした。この真空槽は、Heリ-クテストを行った結果リ-クはなく(リーディテクターの検出限界2x10^<-10>Torr・1/s以下)、超高真空仕様のための第1条件を満たした。さらに、4001/sターボ分子ポンプで排気しつつ24時間ベ-キングを行った結果、主排気装置として5001/sイオンポンプとチタンサブリメーションポンプを用いることにより、〜4x10^<-11>Torrの到達真空度が得られた。これはMBE装置用真空槽として、十分良い超高真空と見なされる。 2.磁性金属人工格子・多層膜の積層を1原子層のオーダーで制御するために、反射高速電子線回折(RHEED)強度振動を利用する。そのための主装置として、RHEED用電子銃およびRHEED用電源を製作した。RHEED用電子銃は、設計仕様であるビームスポット径φ90μm以下の条件を十分に満足した。また、RHEED用電源は、安定でかつ最大加速電圧30kVという当初の仕様を満たした。 3.今後、試料製作超高真空槽に、1.項で述べた各種の装置を取付け・組み込んで、MBE主装置を完成させる予定である。
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