トラップされた原子を媒質とした二光子レーザー発振の実現

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07454091
• 研究種目: 一般研究(B)
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 久我 隆弘 東京大学, 教養学部, 助教授 (60195419)
• 研究分担者: 平野 琢也 東京大学, 教養学部, 助手 (00251330)
• キーワード: 電磁光学トラップ / 二光子レーザー / 共振器量子電気力学 / ドレスド状態 / レーザー分光 / 超微細構造 / 四光波混合

研究概要

磁気光学トラップ(MOT)中でレーザー冷却されたルビジウム原子の各種分光を行った。MOTのために用いるトラップレーザーとリポンプレーザーの2台のレーザー以外に、強度の弱いプローブレーザーをトラップ中に導くことで、原子トラップを壊すことなく精密な分光が行える。
まず、我々はプローブレーザーの透過スペクトルを、トラップ、リポンプレーザーの強度、離調を系統的に変化させて測定した。その結果、トラップレーザー周波数付近に、10%程度のプローブゲインがあることを確認した。これは3光子ハイパーラマンゲインと考えることができる。また、原子をトラップする吸収・放出サイクルと上準位を異にし下準位を共通とする遷移には、付加的なピークが存在することが確認された。これは、オートラ-・タウンズ分裂と呼ばれている。
さらに、トラップレーザーが互いに反対向きに進行していることに目を付け、四光波混合によるプローブ光の位相共役光を発生させた。この位相共役光には、縮退四波混合の鋭いピークと、非縮退の幅の広いピークが観測された。
これらの分光学的なデータにより、二光子レーザー発振のための基礎的な情報が得られた。
この分光測定システムとは独立に、新しい超高真空槽を製作し、トラップを囲うように高反射率の鏡を設置し、高Q値共振器を組み立て、二光子レーザー発振の本格的な実験を開始した。

研究成果

• [文献書誌] T. Hirano, T. kuga: "Generation of weak sub-Poissonian light by a high efficiency light emitting diode" IEEE Journal of Quantam Electronics. 31. 2236-2240 (1995)
• [文献書誌] K. Nagamine 他7名: "Ultru-slow positive muon generation by laser ionization of thermal munium from hot tangstem at primary proton beam" Physical Review Letters. 74. 4811-4814 (1995)
• [文献書誌] Y. Miyabe 他5名: "Laser system for resonant ionization of hydrogen-like atoms produced by nuclear reactions" Nuclear Instruments and Methods in Physical Research. B95. 265-275 (1995)
• [文献書誌] G. Shinozaki 他3名: "3dB squeezing in photon number fluctuations from high speed light emitting drode" CLEO/PR technical digest. (1995)
• [文献書誌] T. Hirano 他3名: "Inrestigatiny statistical properties of light from high efficiency light emitting diode" proceedings of Frontiers in Laser Physics and Sprctroscopy. (1996)
• [文献書誌] T. Torii 他4名: "Spectionscopic properties of cold rubidium stoms in a mgreto-optic trop" Proceedings of Fronliers in Laser Physics Spectroscopy. (1996)