研究概要 |
初年度に購入したセンサーと研究代表者の手元にあるセンサーを伊豆半島の伊東市汐吹および地震研究所の川奈崎地震観測点に6成分観測装置を展開,観測を続けている.この間,伊豆半島伊東市付近には大きな地震活動はなく,未だ解析可能なデータは収録されていないので,この観測点配置のままで今しばらく観測を継続する. 連続分布転位論を地震の地動回転成分励起の問題に適用することにより,転位のみでなく転傾を含む一般的な場合に関する地動回転成分の定式化を行った.この成果はGephys.J.Int.に論文として掲載される,さらに,この定式化の下で,具体的な震源過程を想定したシミュレーションを行い,特に、断層面上でのすべり速度の変化が地動回転成分の励起パターンをどのように変化させるかを調べた.その結果,地動回転成分は地動並進成分とは異なる励起パターンを示すため、両データを併用することですべり速度の変化の方向が推定できることが明らかにされた. センサーの感度向上を図るため,水晶発振とは別の原理を用いるセンサーを用いた地動回転成分計の開発に着手した.このセンサーは流体の慣性を利用したもので,回転運動によるリング状の管の中の流体の変動を感知して出力するものである.今年度末には,新しい回転成分計の開発はほぼ終了し,来年度には試験観測に入ることが出来る.この回転成分計は現在のものよりも5桁ほどの高い感度を持ち、マグニチュード3クラスの小地震で励起される地動の回転成分を記録することが期待される.
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