研究概要 |
例年群発地震が頻発している神津島と式根島に臨時の地震観測点を設置した。設置してまもなく,神津島近海を震源とするMj5.6の地震が起こった。この規模はこの付近の地震の最大クラスである。残念ながらこの最大地震のデータ収録には失敗したが,その後いくつかの小地震については地震記録を収集することができた。一方,伊豆半島東方沖では9月末から10月にかけて群発地震(最大Mj4.8)が発生した。これらの地震記録は既存の観測点と新規の観測点でとることができた。 これらの記録に,海洋科学技術センターの初島観測点のデータを加えて,目下震源の諸量を計算中である。9〜10月の伊豆半島東方沖の群発地震について,暫定的に以下の結果を得ている。 1)P波の変位記録のパルス幅に方位依存性がみられた 2)この依存性によって個々の震源断層の長さと方向と破壊速度を求めた 2)ほとんどは横ずれ型の地震である。このとき2つのP波節面のうち東西方向に走向を持つ面が断層面であることが多い。 また,破壊はほとんど例外なく西から東へ伝播している。 一連の群発地震において個々の微小地震が同じような破壊パターンを示していることは注目すべきことと思われる。
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