研究課題/領域番号 |
07454106
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菊地 正幸 東京大学, 地震研究所, 教授 (20046147)
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研究分担者 |
石原 靖 横浜市立大学, 理学部, 助手 (40232334)
山中 佳子 東京大学, 地震研究所, 助手 (30262083)
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キーワード | 群発地震 / 震源過程 / 鹿児島県薩摩地方 / 神津島近海地震 / 波形解析 / 奄美大島近海地震 / 圧力降下 / 震源域 |
研究概要 |
1995年10月18、19日の奄美大島近海地震、96年12月10日の九州北部の地震、96年3月3日から7日にかけての伊東沖群発地震、3月26日と5月13日の鹿児島県薩摩地方の地震について、波形解析により震源断層の時空分布を調べた。近地データの波形解析については、これまで用いてきた手法(やや長周期成分を用いてメカニズム解を決め、次にP波初動の変位記録を用いて震源時間関数を決める手法)を用いた。 伊東沖地震は典型的な群発地震であるが、その他の地震も、同規模の地震が続発するという、やや群発的な発生パターンを示す地震群である。これらを解析した結果、いずれも震源域が互いに重なり合わないという共通点をもつことがわかった。いわば1個1個が本震の性格を持していることである。伊東沖の群発地震は規模がそれほど大きくないために、個々の震源域を確定するには至っていないが、「互いに震源域をオーバーラップせずに破壊していること」が、群発地震の1つの際立った特徴と推測される。 97年1月には、これまでほとんど地震の起こつていなかった利島の近海で群発地震(最大地震M3.9)が起こりはじめ、これら一連の地震の記録を収集し解析した。これらは、ここ数年群発している神津島近海の地震群とはあきらかに応力軸を異にする横ずれ断層であることがわかった。また96年12月の九州北部の地震の場合と同様に、過去何度も繰り返し起こっている地震群と比べて、必ずしも応力降下は高くないことがわかった。
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