研究課題/領域番号 |
07454107
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
気象・海洋・陸水学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
若土 正曉 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60002101)
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研究分担者 |
河村 俊行 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (50091434)
深町 康 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (20250508)
大島 慶一郎 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (30185251)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | ポリニア / 南極海 / 海氷 / 大気-海洋相互作用 / 南極底層水 / リモートセンシング / ブライン排出 / 熱塩循環 |
研究概要 |
ポリニヤ(Polynya)とは、広大な海氷原の内部(外洋ポリニヤ)や沿岸付近(沿岸ポリニヤ)に定常的に依存する大規模な開水面或いは疎氷域のことをいう。そこでは、大気と海洋の間で熱や各種ガスの交換が活発に行われる。厳冬期になると本来なら海氷で広く覆われてしまうはずの極域海洋において、何故特定の海域だけに開水面が形成し、そのまま維持されるのか、またそれらポリニヤが大気や海洋に果たしている役割は何か、という問題に対する理解を深める事が本研究の目的である。 我々は、研究海域として南極昭和基地周辺とオーストラリア南方の南極沿岸域(アデリーランド沖)を取り上げた。前者では、ポリニヤの成因として海洋よりも大気の影響の方が大きいこと、それも大陸からの斜面下降風(カタバ風)野影響を強く受けるところと、もっと広くシノプテイックな大気場が支配的なところと場所によって異なる事がわかった(Ishikawa et al.,1996)。 一方、後者のアデリーランド沖では、1995年1月と1996年1月の2回の海洋観測とその間(1995年1月から1996年3月まで)の大陸棚斜面での流速計係留観測を行った。この海域は、南極周辺で海氷密接度の最も低いところとして、よく知られている。我々の観測結果から、以下の事が明らかになった。 (1)底層付近に低温、低塩、高酸素、低珪素、高フロンの性質をもつ水塊が2年とも存在した。この水塊の性質は、比較的若い水に特有のものである。 (2)一年を通じて流速が最も大きく、流速や水温の変動の最も大きかったのは、海底付近に設置された流速計のデータであった。また、流速と水温の季節変動の最も大きかったのも、その海底付近に設置した流速計によるものであった。 (3)この海底付近の流速は、8月から12月にかけて増大し、それにともなって水温低下も起こった。 (4)この海域は、南極底層水の生成域の一つであり、その源はすぐ東側の沿岸ポリニヤ域であり、その生成は冬から春にかけての時期にのみ起こっている。
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