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1997 年度 実績報告書

異常気象をもたらす大規模擾乱の力学

研究課題

研究課題/領域番号 07454110
研究機関東京大学

研究代表者

松田 佳久  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60134772)

研究分担者 佐藤 正樹  埼玉工業大学, 工学部, 講師 (00255142)
中村 尚  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10251406)
高橋 正明  東京大学, 気象システムセンター, 助教授 (70188051)
キーワード異常気象 / 大規模擾乱 / ロスピー波 / ブロッキング / エルニーニョ / オホーツク海高気圧 / 子午面循環 / 角運動量バランス
研究概要

異常気象の力学の問題は複雑であり、様々な側面を持っている。本研究では、この問題を、中高緯度でのロスビー波の振る舞い、熱帯の40日振動、及び熱帯地方と中高緯度の相互作用という観点から捉え、緊密な協力の下にそれぞれの研究を行った。
中村らは,東西非一様な基本流中を3次元的に伝播する定常ロスビー波束に伴う活動度フラックスの定式化に初めて成功した.それをブロッキング時に観測された偏差場に適用し,大陸上で冬季形成されるブロッキングが上流側から入射する定常ロスビー波束の「局所的砕波」に伴い増幅する事を確認した.また,等温位面データの解析で,7月にオホーツク海高気圧上空のブロッキングが同様の機構で増幅する事も確認した.
松田らはこの解析結果に基づき、東西非一様な基本流中をロスビー波がどのように伝播するかを、数値実験により研究した。計算には、球面上の順圧モデルを用いた。数値実験の結果は、上流側から入射する定常ロスビー波束がジェットの出口付近で停滞し、その振幅が増幅する事を示した。この計算結果は上のデータ解析結果と興味深い対応を示している.
高橋らは熱帯の40日振動に関して,年々変動の立場から解析的研究をおこなった.エルニーニョ時の40日振動はノーマルな状態にくらべ,振幅が強化され,また40日にともなうクラスターは熱帯東太平洋まで進むことがわかった.
佐藤らは低緯度循環と中緯度循環の相互作用を子午面循環と角運動量輸送の観点から調べた.角運動量バランスにより,熱帯の熱源が十分強い時には中緯度の傾圧帯の活動は熱帯の循環に支配される.一方,中緯度から低緯度に及ぼす影響についても,傾圧帯の活動が熱帯の積雲活動に及ぼす効果として現れる.

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Y.Matsuda 他2名: "Rossby wave propagation in ideallzedand realistlc zonally varying flows" J.Meteor.Soc.Japan. 75・3. 687-700 (1997)

  • [文献書誌] H.Nakamura, 他2名: "The Role of High-and Low-Frequency Dynamics in Blocking Formation" Mon.Wea.Rev.129・9. 2074-2093 (1997)

  • [文献書誌] K.Takaya, H.Nakamura: "A Formulation of a wave Activity Flux of Stationary Rossby Waves on a Zonally-Varving Basik Flow" Geophys.Res.Lett.24・23. 2985-2988 (1997)

  • [文献書誌] M.Satoh 他2名: "Hadley circulations and their roles in the global angular momentum budget in two and three dimensional models" Tellus. 47A5:1. 548-560 (1995)

  • [文献書誌] M.Satoh, Y.Yoshlda: "Response of the Atmospheric Angular Momentum and the Length of the Day to the Surface Temperature Increase for an Aqua Planet Model" Geqphys.Res.letter. 23・18. 2569-2572 (1996)

  • [文献書誌] Zhao,N. and M.TakaHaShi: "Super一and sub-harmonic responses of tropical Kelvin waves to the heating with a seasonal modulation" J.Meteor.Soc.74・1. 115-123 (1996)

  • [文献書誌] 中村 尚, 他2名: "オホーツク海高気圧の形成に関わる上層のブロッキング高気圧の時間発展とその力学" 気象研究ノート. 189. 177-190 (1997)

  • [文献書誌] 中村 尚, 高薮 出: "Shapiroの新しい前線・低気圧モデル" 天気. 44・2. 85-100 (1997)

  • [文献書誌] 中村 尚: "「気象ハンドブック(簡約版)」の内 ″テレコネクション″,″ブロッキング″の2項目" 朝倉書店(新町・伊藤・木村・住・安成5氏編集)(発表予定), (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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