研究課題/領域番号 |
07454114
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中澤 清 東京工業大学, 理学部, 教授 (10025455)
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研究分担者 |
大槻 圭史 山形大学, 理学部, 助手 (00250910)
榎森 啓元 東京工業大学, 理学部, 助手 (30262257)
井田 茂 東京工業大学, 理学部, 助教授 (60211736)
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キーワード | 惑星集積 / 木星型惑星 / 原始大気 / 水野プロセス |
研究概要 |
本年度は3年間にわたる本研究課題の初年度に当たり、課題全体の基礎をなす下記の2項目について研究を行い実績を挙げた。 ・後期惑星集積過程の追跡(原始木星形成前の惑星集積過程の追跡) 約300倍の地球質量という巨大な質量をもつ木星の形成はその他の惑星集積過程に大きな影響を与え、惑星間隔の決定に大きな役割を果たしたと考えられる。本年度は原始木星の形成過程を明らかにするための多粒子数値シミュレーションを行った。このシミュレーションは原始木星の周囲の微惑星の分布を、微惑星に掛かる原始木星からの重力と太陽系星雲ガスからのガス抵抗を考慮して再現したものである。この研究の結果、原始木星の成長に伴い周囲の微惑星は原始木星の重力散乱で跳ね飛ばされ、原始木星周囲の微惑星の密度が著しく減少することが分かった。 ・原始木星形成過程の再検討(原始木星大気の不安定性) 原始木星の形成に必要な周囲の太陽系星雲ガスの固体原始木星への流入はMizuno過程で知られている原始木星大気の重力崩壊がその発端となり発生する。本年度はMizunoによって行われた原始木星大気の安定性解析の見直しを行った。本年度は微惑星と大気との相互作用を考慮し、原始大気内部でのエネルギー発生をモデル化し、原始大気の安定性を解析した。その結果、Mizunoで与えられたものよりも1/10以上小さい固体原始木星周囲の原始大気がすでに重力崩壊を起こす程不安定であることを明らかにした。 以上の二つの結果を総合すると原始木星の形成過程をおおよそ以下のように推定できる。 ・原始固体木星の形成 ・原始固体木星周囲での微惑星の減少 ・原始木星大気の不安定化とガスの流入 ・ガスを纏い大質量かした原始木星への周囲の微惑星の集積 なおこの研究結果のうち微惑星分布に関する部分は、既に学術雑誌に投稿され受理されている。
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