研究概要 |
本研究は2年目を終了し,計画どおりの成果をえている。具体的な成果の概要は下記のとおりである。 1.昨年度新設したライツMPV-2コンパクト(ライツ・オルトプランに設置した顕微測光装置)を使って,千々和と西村は石炭及び泥質変成岩中の炭質物の反射率を測定する方法を検討した結果,その方法論が確立され,具体的なデーターをうることができた。その成果の一部(汗見川,須佐,熊野地域)は、千々和によって平成8年12月開催の応用石炭組織学会で報告されている。 2.西村は中琉球地域,岡山県井倉地域,長崎県野母半島地域,新潟県青海地域の付加体(広域変成帯を含む)を調査・検討し,数多くの炭質物d_<002>値とK-Ar年代を測定した。井倉地域については,平成8年12月に論文が出版されている。また,九州西部地域の成果は平成8年4月開催の日本地質学会で報告され,長崎県野母半島地域に関する新知見の一部はJournal Metamorphic Geologyに投稿されている。来年度は中琉球地域について,具体的な成果をとりまとめ,平成9年10月開催の日本地質学会で報告できる見通しがついた。 3.今岡と西村は山口県須佐地域の接触変成帯及び火成活動史について,平成8年4月開催の日本地質学会で報告し,岩鉱誌に投稿中である。また,両名は中琉球弧の深成活動についてレビューし,奄美大島から渡名喜島にかけて具体的な調査を行い,有用な試料を多数採集した。来年度はK-Ar年代を測定する計画である。 4.板谷は高知県中村地域の四万十帯を調査した。また西村との共同研究で,中琉球弧,井倉地域及び野母半島地域の弱変成付加体及び変成帯ならびにニュージーランドの付加体の再結晶白雲母について,多数のK-Ar年代を測定し,有用でかつ十分な成果を得た。
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