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1995 年度 実績報告書

介形虫高次分類 における異時性の重要性

研究課題

研究課題/領域番号 07454124
研究種目

一般研究(B)

研究機関金沢大学

研究代表者

神谷 隆宏  金沢大学, 理学部, 助教授 (80194976)

研究分担者 塚越 哲  東京大学, 総合研究資料館, 助手 (90212050)
キーワード介形虫 / 異時性 / 幼形進化 / 進化の方向性
研究概要

異時性により大きな形態変化がもたらされるため,介形虫類の分類に「真の系統関係」が反映されていないケースが普遍的にあると考えられる。そのような関係にあるのではないかとめぼしをつけた分類群に、信頼性の高い2つの新たな基準を導入し、真の系統関係を推定することを第一の目的として本研究を行った。その結果をふまえ、異時性のもたらす「進化の方向性」や「進化のタイミング」について考察することを第二の目的とした。介形虫のヒンジは科レベルの重要な分類形質であり、これに基づけば、Schizocythere属はSchizocythere科に、Cnestocythere属はCythere科に分類される。しかし共同研究者の塚越はCnestocythere属はSchizocythere属のヒンジ異時性により幼形化したグループである可能性の高いことを形態解析より見出していた(塚越私信1994)。本年度において塚越は、「ポア」の分布パターンという信頼性の高い基準を用いると、両属はきわめて系統関係の近くなることを確認し、ヒンジおける異時性の重要性と普遍性について考察した。さらに塚越、神谷とも他の分類群の形態解析を進め、これと平行して塚越は豪州および英国で対象分類群を採集調査、研究代表者の神谷は豪州、新潟、北海道、三浦半島で対象分類群を採集調査し、形態解析、分子遺伝学的解析試料用に保存した。神谷はもう一つの基準であるDNAを用いて系統関係の推定を行うべくCallistocythere属,Loxoconcha属を含む6種類の分子遺伝学的検討を行ったが、まだ有効な結果を得るに至っていない。また化石記録の検討を加えた結果,ヒンジにおいては幼形進化が卓越しており、その背景に寒流・暖流の交代や内湾・外洋の交代をカギとする海洋環境変化が推定された。なお、本年度の成果の一部はBiological journal of Linnean Society誌に既に印刷中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tsukagoshi,A.& T.Kamiya: "Heterochrony of the ostracod hingement and its significance for taxonomy" Biological Journal of the Linnean Society. 57(印刷中). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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