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1996 年度 実績報告書

形態および化学組成からみた漂砂金の生成環境に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07454130
研究種目

基盤研究(B)

研究機関筑波大学

研究代表者

円城寺 守  筑波大学, 地球科学系, 講師 (70015890)

研究分担者 小室 光世  筑波大学, 地球科学系, 講師 (40251037)
キーワード漂砂金 / 化学組成 / 金銀 / 砂金 / 石英
研究概要

新潟県佐渡島西三川川流域に産する漂砂金の産状・形状・共存鉱物などを観察し,EPMAにより内部の化学組成分析などを行なった結果,次のことが明らかになった.
採取した漂砂金の長径は100〜1300μmで,100〜300μmのものが多い.下流域の砂金ほど粗粒になる傾向がある.表面は凹凸に富むが,全体的に丸みを帯びた形状を呈する.漂砂金の内部に穴や割れ目を持つものが存在する.石英や黒色鉱物を伴ったり包有したりすることがある.漂砂金は本質的に金と銀のみからなる.内部の化学組成分布から,ほぼ均質なものと金に富むリムをもつものに大別される.前者および後者のコアの部分ではAu46-43atomic%であり,後者のリムの部分ではAu100-91atomic%である.金に富むリムとコアの境界は明瞭である.
これらの結果から,この地域に産する漂砂金の生成過程について次のことが推論される.
漂砂金は生成過程で合体する場合がある.漂砂金のコアの組成は本質的に鉱脈金の組成が保持されたものであるが,なお地質時代の間に銀が溶脱した可能性もある.金に富むリムの成因として,漂砂金表面への金の析出または魚卵状を微細金粒子の付着などが考えられる.金に富むリムの多孔質性は力学的変形を受けた結果であろう.漂砂金に銀に富むリムが認められないのは,金の自己電気化学的精製作用に因るものであろう.
同様の調査および解析を,茨城県八溝川流域,宮城県江合川流域などからの漂砂金についても実施し,れぞれ,漂砂金の性質および生成過程についての検討を進めている.

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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