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1995 年度 実績報告書

マグマ-マントル相互反応と未分化とマグマの形成

研究課題

研究課題/領域番号 07454131
研究種目

一般研究(B)

研究機関金沢大学

研究代表者

荒井 章司  金沢大学, 理学部, 教授 (20107684)

研究分担者 寅丸 敦志  金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (50202205)
キーワード上部マントル / かんらん岩 / クロミタイト / クロムスピネル / マグマ-マントル相互反応
研究概要

上部マントルかんらん岩とメルトとの相互反応をかんらん岩より読み取る研究を行い,以下の事実を明らかにした.1.かんらん岩とメルトの相互反応の産物である二次的メルトにはコンパティブル元素であCrとNa,Ti,水などのインコンパティブル成分が同時に濃集する.前者はかんらん岩中の斜方輝石よりもたらされ,後者は部分ゾーンメルティング的効果によりもたらされる.二次的メルトからの晶出物の代表的なものがクロミタイト(クロムスピネルに富む岩石)である.2.クロミタイトは中程度に枯渇したハルツバ-ジャイト(クロムスピネルのCr♯が0.4〜0.6程度)に特徴的に含まれる.多くの場合,クロムスピネルのCr♯が0.8前後であり,海洋的というより島孤的環境を示唆する.3.オマーン・オフィオライトなどのウエールライト,トロクトライト,ダナイトなどかんらん石に富む貫入岩(ガブロ,岩脈群に貫入)にはしばしばインコンパティブル成分(Ti,Na,水など)が濃集する.このような貫入岩はクリスタル・マッシュの固結物で,閉塞的なメルト通路での相互反応の産物が上昇,貫入したものである.4.太平洋ヘス・ディープで得られたかんらん岩-トロクトライト-ガブロ複合岩体もかんらん岩/メルト相互反応の産物である.これらの岩石のクロムスピネルには,そのTi含有量がMORB中のスピネルより高いものがかなりある.これらを含む岩石(主としてトロクトライト)は閉塞的な環境下で相互反応を受け,噴出しそこねたMORBからの固結物であろう.5.これらの結果は洪水玄武岩と海台玄武岩の組成の差を説明する.両者ともLIPをなし,巨大なプリュームに由来するものであるが,Tiなどのインコンパティブル元素の含有量が異なる(前者の方が高い).前者は厚いテクトスフェアのためより閉塞的な環境下でマグマを生成した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 荒井章司: "海洋ソソスフェアとオフィオライトi類似点と相違点" 地学雑誌. 104. 361-380 (1995)

  • [文献書誌] 阿部なつ江,荒井章司,二ノ宮淳: "東北日本孤、二ノ目潟かんらん岩補獲岩および本質噴出物について" 岩鉱. 90. 41-49 (1995)

  • [文献書誌] 森下知晃,荒井章司,高橋奈津子: "北海道、幌満かんらん岩体の融解過程に伴うシンプレクタイトの形態,組成変化" 岩鉱. 90. 93-102 (1995)

  • [文献書誌] S.Arai,N.Abe: "Reaction of orthopyroxene m peridotite xenoliths with allcali Dasalt melt and its implications for genesis of alpne-type chromitite" American Minecalogist. 80. 1041-1047 (1995)

  • [文献書誌] S.Arai,H.Yurimoto: "Possible sub-arc origin of podiform chromitites" The Island Acc. 4. 104-111 (1996)

  • [文献書誌] S.Arai,K.Matsukage: "Petrology of the gabbro-troctolite-peridotite complex from Hess Deep,equatorial Pacrfic:implications for mantle-melt interaction with in the oceanic lithosphere" Proceedings of ODP,Scientific Results. 147(印刷中). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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