研究概要 |
この研究では,自作の水蒸気吸着断熱型熱量計等を用いて,合成A型ゼオライトの水和過程での熱測定と陽イオン交換による結晶構造変化の関係,陽イオン交換と水和熱の関係を研究した.この研究に中で,ある種のゼオライトが,ゼオライト-水系のエネルギー貯蔵システムに適していることが判明したので,ゼオライトヒートポンプシステムへの応用についての考察を行った.本研究で導入したDSC装置(TA Instruments Model 2910)を用いて,各種の鉱物の相転移付近の熱容量異常を測定し,諸物性との関連,結晶構造との関連を追求した.オケルマナイト固溶体の整合-不整合相転移付近の熱容量異常について測定を行った.150℃程度の温度でイオン電導性を示す,硫化鉱物,Cu_3BiS_3の合成を行い,電気電導度の測定を行い,構造相転移および,イオン電導等に関する異常熱変化が観察された.Cu_3BiS_3の単結晶の合成を試み,X線単結晶法に耐える大きさ(0.2mm)の結晶を合成した.またAgBi_3S_5は0.3mm程度の自形結晶の合成に成功し,構造の精密化を行っている.けい酸塩蛍光材料Zn_2SiO_4を乾式1440℃付近で合成し,0.3mmの単結晶を得て,構造の精密解析を実行中である.Si-Znの置換が見出された.この構造は狭いトンネル構造で,ある種の原子置換により,イオン伝導体の誘導を考慮中である.
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