研究課題/領域番号 |
07454142
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地球化学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐久川 弘 広島大学, 総合科学部, 助教授 (80263630)
|
研究分担者 |
竹田 一彦 広島大学, 総合科学部, 助手 (00236465)
藤原 祺多夫 広島大学, 総合科学部, 教授 (90090521)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
キーワード | 有機酸 / 炭素安定同位体比 / 自動車排ガス / 酸性雨 |
研究概要 |
1)大気中有機酸の地域的、季節的変化の解明 広島県内の4カ所の地点(東広島市および廿日市市極楽寺山の3カ所)で降水試料を採取し、有機酸及び他の化学成分濃度の分析を行った。有機酸の濃度は数μMから数十μMであった。また、各地点における酸性物質の割合は有機酸全体で降水が東広島7.1%、極楽寺山では2.9%〜5.5%であった。また、露に含まれる有機酸の測定も行い、特に東広島での酢酸の濃度が降水に比較して8倍程度高いことがわかった。 2)人為起源の排ガスに含まれる有機酸の測定と大気中有機酸への寄与率の見積もり 有機酸の人為起源の発生量を見積もるため、自動車等の排ガス中の有機酸濃度の測定を行った。自動車の排ガス中の有機酸は数十pptv〜数十ppbv程度であった。広島県における自動車排ガス中の有機酸平均濃度はギ酸8.9ppbv、酢酸37.3ppbv、プロピオン酸0.5ppbv、シュウ酸0.09ppbvとなり、特に酢酸の大気中有機酸への人為起源の有機酸の寄与が大きいことが推察された。また焼却炉の排ガス中の有機酸濃度は数十〜数百ppbv程度であり、自動車同様、酢酸の濃度が大きいことがわかった。 3)大気試料有機酸の炭素安定同位体比の測定 大気中有機酸の起源を探るため、その炭素安定同位体比の測定法の確立を行った。有機酸標準試料の炭素安定同位体比の測定を行った結果、同種の有機酸でもイオンクロマトグラフィーで分離を行ったものと行わないものでは2〜3‰程度その値に差がみられた。しかし、同じ方法における測定値の標準偏差は0.1〜0.2‰程度であり、この方法での有機酸の炭素安定同位体比の測定は可能であると思われた。
|