研究概要 |
大気中のNO分子を高感度で観測するための測定手法の開発を行っている。まず大気中NOを回転冷却するための真空チャンバーを完成し、パルスバルブ(開放時間〜250μs,オリフィス径800μm)を用い20Hzで運転することにより10^<-5>Torrの真空度が達成された。RE2PI法で低濃度(10^<-5>Torr以下)のNOをイオン化し検出するためにはかなり強いレーザー光が必要となるが、本研究ではYAGレーザーの第3高調波(60mJ/pulse,20Hz)を用い色素レーザー(クマリン440)を励起しBBOにより第二高調波を発生させたところNOの第一電子励起状態(A)に共鳴させるエネルギーの波長(226nm)で〜1mJ/pulseのエネルギーが得られた。見積もりによるとこの光エネルギーで充分にpptレベルのNO分子をイオン化出来る。現段階では1ppmのNO標準ガスを用いてレーザーによりイオン化しセラトロンでNO^+イオンを検出することに成功した。今後レーザーによる電気的なノイズを除去するためにイオン信号の検出にはゲート付きのイオン計数法を用いさらに感度の向上をめざしてゆく。
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