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1996 年度 実績報告書

準安定励起原子と分子の高い衝突エネルギー領域における反応動力学

研究課題

研究課題/領域番号 07454149
研究機関新潟大学

研究代表者

徳江 郁雄  新潟大学, 理学部, 教授 (90101063)

キーワード発光断面積 / 解離過程 / ペニングイオン化 / 相互作用ポテンシャル / 衝突エネルギー / 準安定ヘリウム原子
研究概要

本研究の目的は,発光分光法により,熱エネルギーより高い衝突領域における準安定励起原子と分子衝突による反応動力学を,より詳細に解明することであった。本研究によって,(1)発光断面積の衝突エネルギー依存性の測定法,(2)液体窒素冷却CCD検出器による発光スペクトルの高分解能測定法の2つの新しい測定法が開発された。これから得られた発光断面積や生成物の振動回転分布の衝突エネルギー依存性についての知見から,解離過程やイオン化に関与する準安定励起原子と標的との分子間ポテンシャルおよび反応過程の動力学について次の成果を得ることができた。
1.希ガス準安定励起原子と標的分子との衝突によるイオン化や解離過程の発光断面積の衝突エネルギー依存性の測定については,従来の研究ではN_2^+(B-X)バンドしか観測例がなかった。本方法では放電パワーを変化させることで励起原子の平均運動エネルギーを120-220meVの範囲で可変にできるようにした。この結果,衝突エネルギーの分布はやや大きいけれども,ビーム強度を減らすことなく標的分子に衝突させることができ,測定対象を格段に増やすことに成功し,CH_3X(X=H,Cl,Br,I),CCl_3X(X=H,F,Cl,Br,I),SiCl_4,GeCl_4について成果を得た。
2.高分解能の発光スペクトルを測定するために,液体窒素冷却型CCD検出器を導入し,分光器とCCD検出器の組み合わせを用いる方法を開発した結果,CCDのピクセル間の感度のバラツキを補正することにより,励起原子ビーム源の変動を補正することなく,必要な発光スペクトルの観測領域を同時測定し,測定時間を大幅に短縮することに成功し,CO^+(A,B),N_2^+(B)状態について成果を得た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] I.Tokue,他3名: "Branching Ratios of Excited Sn I States Produced by Collisions of He(2^3S) Atom with SnCl_4 and Sn(CH)" Bull.Chem.Soc.Jpn.69. 2815-2820 (1996)

  • [文献書誌] I.Tokue,他3名: "Photoemission Cross Sections for Ions Produced by Collisions" Bull.Chem.Soc.Jpn.70. 71-78 (1997)

  • [文献書誌] I.Tokue,他2名: "Photoemission Cross Sections for CH Radicals Produced by Collisions of He(2^3S) Atoms with CH_3X(X=H,Cl,Br,I)" J.Chem.Phys.106(印刷中). (1997)

  • [文献書誌] I.Tokue,他2名: "Rotational Excitations of lons Produced by the He(2^3S) Penning Ionization of CO and N_2" Chem.Phys.Letters. (印刷中). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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