研究課題/領域番号 |
07454158
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
加藤 立久 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (80175702)
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研究分担者 |
松下 道雄 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (80260032)
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キーワード | 二重共鳴 / 磁気共鳴 / 電子状態 / ラマンビ-ト / ヘテロダイン / カラーセンター / 核四重極子 / 結晶サイト |
研究概要 |
LaF_3結晶中にドープされたPr^<3+>は可視領域に^1D_2(592.7nm)と^3P_0(477.9nm)の二つの長寿命の電子励起状態を持つ。これらの電子励起状態は液体ソリウム温度で発光寿命が50-500msecとなり、MHz程度の大きさのPr核(I=5/2)による微細構造を明らかにすべく、多くの研究がなされてきた。しかし^3P_0(477.9nm)への遷移についてはcw色素レーザーが扱いにくい波長であるためにフォトンエコーなどのパルスレーザーを用いた手法に限られていた。昨年度我々は^1D_2(592.7nm)への遷移を使ってラマンヘテロダイン検出による光磁気二重共鳴の装置を立ち上げ、今年度この手法を^3P_0への遷移に応用し、電子励起状態^3P_0でのPr核の四重極子分裂によるNMR遷移を観測した。 約1.5Kに冷やした試料に、単一モードの色素レーザーからの光とラジオ波を照射する。ラジオ波が、電子状態内の時期遷移に共鳴すると入射レーザー光とは磁気副準位分だけ周波数が異なる発光が生じる。これを透過光の強度変調信号としてシリコンフォトダイオードで検出した。 レーザー光を^3H_4-^3P_0(477.9nm)に共鳴させると、8.4MHzと16.7MHzに基底状態^3H_4におけるI=5/2のPr核の核四重極子共鳴が観測された。一方低周波数領域2.0-5.0MHzにPr核による核四重極子共鳴シグナルよりも一桁強度の弱い数個のシグナルが観測され、Pr^<3+>と結合したホストであるLa核の核四重極子共鳴であることがわかった。その結果、Pr^<3+>核を囲む異なるサイトに由来する磁気的性質が少しずつ異なる四個のLa核を同定することができた。
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