研究課題/領域番号 |
07454173
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
|
研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
福田 豊 お茶の水女子大学, 理学部化学科, 教授 (30021950)
|
研究分担者 |
FRANZ Renz 日本学術振興会, 外国人特別研究員
森 幸恵 お茶の水女子大学, 理学部, 助手 (90239624)
RENZ Franz Ochanomizu University, Post-doctoral Fello
YAMADA Yasunori Ochanomizu University, Research Assistant
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
キーワード | 複核錯体 / クロモトロピズム / 混合配位子錯体 / ランタニド錯体 |
研究概要 |
本研究の主題としてのキーワードである多核金属、クロモトロピズム、混合配位子錯体、立体構造制御等に基づいて説明する。まず、混合配位子系の安定化要因について主に銅錯体の電子状態を偏光スペクトルと計算から検討した。その結果、分子内の異なる2種の配位子間でパイ-酸とパイ-塩基の相互作用が重要な役目を果たすことが明らかとなった。金属錯体のクロモトロピズムの研究は、主にニッケル錯体を新たに合成単離し、その錯体のソルバトクロミズム、サーモクロミズム等を調べた。これらのクロモトロピズムの生成要因は、溶媒-溶質相互作用であり、溶媒の配位力に大きく影響され、ある場合には、アクセプター性の強さによることも明らかとなった。次に多核錯体の構築とその構造についてであるが、ここではテトラケトンを用いてまず複核錯体を合成した。パラジウム(II)イオンを含むもので、[(a-a)Pd(take)Pd(a-a)]X2のタイプである(ここでa-a=2配位子、take=テトラケトン、X=単陰イオンを示す。問題は、用いた(a-a)なる配位子である。今まで報告してきたNi(II),Cu(II)の場合、この(a-a)は必ず立体障害の大きな、たとえばN-アルキルエチレンジアミンの様なものでなければならなかった。今回得られたPd(II)の系では、スマートなジケトンが(a-a)であっても生成する。これは、混合配位子錯体の生成に反応速度も大きな影響をもつことを示している。そのほか、まだ論文として報告していないが、多核錯体を構築するためのBuilding brockとしての単核パラジウム錯体が得られ、これを基に2核錯体と4核錯体も得られた。新しい多核錯体創製のためのテトラケトンの合成の結果、今までに報告されていた化合物は実は存在せず、その異性体であるトリケトンであることもわかり、その錯体のクロモトロピズムも詳しく検討した。
|