研究課題/領域番号 |
07454188
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
石川 達雄 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30009055)
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研究分担者 |
安川 あけみ 大阪教育大学, 教育学部, 教務職員 (70243285)
神鳥 和彦 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (70177765)
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キーワード | マイクロ孔 / 複合金属酸化物 / マグネタイト / 電気伝導性 / リン酸アルミニウム / 細孔構造 / スピネル / 酸化安定性 |
研究概要 |
本年度はマイクロ孔をもつ鉄を主成分とするCo、Ni、CuおよびCrとの複合酸化物と、多孔性金属リン酸塩粒子を合成し、それらの構造と機能を明らかにした。 1)フェリ磁性をもつ多孔性複合金属酸化物は、上記の金属イオンを添加して、できるだけ大きなFe(OH)_2粒子を合成し、それを酸素で酸化して調製した。得られた粒子はいずれもスピネル構造を示した。しかし、Fe^<2+>が異常に多く、例えばCo添加試料では70モル%以上になり、理論値33%を大きく上まわった。Fe(OH)_2の熟成中にFe(OH)_2の一部が不均化反応してFeが生成するとともに、Schikorr反応によりH_2が発生し、酸化されにくくなったことによると考えられる。また、異常に高いFe^<2+>量にも関わらず、従来のFe_3O_4にくらべ酸化安定性が高いことがわかった。表面組成を詳しく調べてみると、表面層にはFe^<2+>は殆ど含まれずNiが多く含まれるころから、粒子表面層は内部とは異なっていた。このように安定な酸化物層で粒子表面が覆われるために、酸化安定性が高くなっている言える。このような特異な構造により、これらの粒子は、これまでにはあまり見られない性質を示した。例えば、電気伝導率は従来のFe_3O_4より二桁も大きくなった。安定性が高いため、磁気材料としてだけではなく、磁気移動・固定型触媒や吸着剤、化学センサーなどとして期待できる材料である。 2)触媒として最近注目されているAIPO_4粒子の細孔構造を、Fe、Co、ZnおよびMnを添加して制御した。粒子調製は、Al(NO_3)_3とNa_2HPO_4の溶液にこれらの金属の硝酸塩を加え、100℃で加熱して調製した。得られた粒子はいずれも球形であった。金属添加により粒子形態は殆ど変わらず、多孔子性になった。Fe以外の金属は粒子中に取り込まれることなく、細孔を発達させる働きをすることがわかった。この方法は、AlPO_4の細孔構造の制御に利用できる。
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