研究課題/領域番号 |
07454195
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物質変換
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福住 俊一 大阪大学, 工学部, 教授 (40144430)
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研究分担者 |
末延 知義 大阪大学, 工学部, 助手 (90271030)
伊東 忍 大阪大学, 工学部, 助教授 (30184659)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 触媒作用 / 金属イオン / 光電子移動 / ヒドリド移動 / Diels-Alder反応 / NADH |
研究概要 |
光化学反応に対する触媒作用については、光励起状態自体がもともと活性種であるので基底状態に対する触媒作用に比べて顕著な例がほとんどない。本研究では、種々の有機化合物の一重項および三重項励起状態への光電子移動反応に対する金属イオンおよび金属錯体の触媒作用機構を明らかにし、新しい物質変換手法を確立することを目的として研究を行った。まず電気化学測定装置とフォトダイオードアレイ分光光度計とを組み合わせて、電気化学的に生成したラジカルアニオンと金属イオンおよび配位不飽和金属錯体との錯体形成を直接検出して、その量論および錯形成定数を決定した。特にESRを用いて金属イオンの配位を直接確かめることに成功した。また、高速サイクリックボルタンメトリーあるいはセコンドハ-モニック交流ボルタンメトリー(現有装置)を用いて決定したラジカルアニオン金属錯体の酸化電位と、蛍光測定で得られた励起エネルギーと合わせて種々の励起状態金属錯体の還元電位を決定した。この値を基に物質変換手法として有用な光電子移動反応系を設計・開発することができた。また、金属イオンの配位により励起状態のスピン多重度が3重項から1重項に変化することを見いだした。有機金属化合物(M-R)を電子移動酸化した場合、一般にM-R結合が開裂するため、炭素中心ラジカルが生成する。ここで用いる電子供与体を種々の有機化合物へ拡張し、触媒的光電子移動反応を利用した新しい炭素一炭素結合生成反応を設計・開発することができた。
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