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1997 年度 実績報告書

生態的に安定な種の組み合わせに関する実験的・理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07454210
研究機関筑波大学

研究代表者

藤井 宏一  筑波大学, 生物科学系, 教授 (00114124)

研究分担者 徳永 幸彦  筑波大学, 生物科学系, 講師 (90237074)
河田 雅圭  静岡大学, 教育学部, 助教授 (90204734)
キーワード生態的に安定な種の組み合わせ / 種間競争 / 被食捕食関係 / 人工生命 / 群集安定性 / 実験群集 / 進化
研究概要

1980年代後半から脚光を浴び始めてきた個体モデルや人工生命の手法は、個々の生物現象に注目し、ボトムアップにシステムを構築していく手法であり、微分方程式などで記述される力学系モデルによる解析よりも、現実の生態系を考察するにはより相応しい方法であると考えられる。我々は過去2年間、一方で豆-豆象虫-寄生蜂を用いた実験系における系の複雑性-安定性の問題を研究してき、他方で人工生命の生態学への利用を通じて、生態学的に安定な種の組み合わせの可能性について研究してきた。本研究は、これまでの実験的研究に基づく個体モデル、あるいは人工生命モデルを構築して、ボトムアップ的に種の多様性と安定性の関係について考察しようとするものである。また、このように構築されたモデルの挙動を、実験的に実際に構築された生態系と照らし合わせて評価しようとするものでもある。
本年度は、平成7年度に構築を開始し、8年度により複雑にしたモデルを基に、豆-豆象虫-豆象虫に捕食寄生する寄生蜂でなる実験生態系を構築し、恒温室で飼育した。実験系は豆-寄主-寄生者(各々複数種)という3栄養投階でなる系で構築されている。また平成7年度から構築を開始したシミュレーションモデルを、より大規模でかつ一般的な生態系モデルへと拡張し、人工生命的手法を用いた生態系モデルを構築し、その挙動を調べた。
生態的に安定な種の組み合わせを形成する構成種を生成するメカニズムとしては、可変長遺伝的アルゴリズムなどの手法を用い、平成7年度、8年度に得られた知見を用いて、各栄養段階を特徴づけるビット列で表現される人工生命を生成し、有限の資源を巡る競争や捕食関係をモデル内で進化させてみた。これらのシミュレーションの結果に見られる種の組み合わせを、実験的研究の成果と対比しながら、進化的に安定な種の組み合わせという概念の有効性について考察を行なった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kitahara,M: "An island biogeographical approach to the analysis of batterfly community patterns in newly designed parks." Res.Popul.Ecol.39(1). 23-35 (1997)

  • [文献書誌] Mitsunaga,T.: "The effects of spatial and temporal environmental heterogeneities on persistence in a laboratory experimental community." Res.Popul.Ecol.39(2). 249-260 (1997)

  • [文献書誌] Toquenaga,Y.: "Repairing Genetic Algorithm and diversity in artificial ecosystems." Artificial Life V. (in press). (1998)

  • [文献書誌] Kawata,M.: "Exploitative competition and ecologically effective abundance" Ecological Modelling. 94. 125-137 (1997)

  • [文献書誌] Kawata,M.: "The effect of dispersal behavior in group selection." Evolutionary Ecology. (in press). (1998)

  • [文献書誌] Kawata,M.: "The loss of genetic variabilities in a fragmented continuous population." Res.Popul.Ecol.(in press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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