タカサゴシロアリおよびオオシロアリにおいて近親交配が実際に起こっているか、そのため血縁度が上昇しているか、多巣化によって近隣コロニー間に血縁関係があるかを検証した。また、地域集団における血縁者の分布に、分巣方式の増殖がどのように影響を与えているかを分析した。クロヤマアリでは、前年度までに野外調査によって明らかにされた多女王化のしくみ、および多女王間の血縁関係のDNAフィンガープリント法による解析した。 野外生態調査:タカサゴシロアリおよびオオシロアリの野外調査は、沖縄県の西表島と石垣島および鹿児島県の屋久島において6月に調査を行なった。環境条件、コロニー密度について適切な調査区間(1ヘクタール程度)を設定し、区画内のコロニーのマッピングおよびDNAの実験材料の採集を行なった(研究協力者:北出理/三浦徹/前川清人/町田光世)。 DNA分析:野外から取ってきた資料に対してDNAフィンガープリント法を用いて、コロニー内血縁度、近交係数を求めるための予備実験をした。(研究協力者:北出理/三浦徹/前川清人)。
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