研究概要 |
タカサゴシロアリの野外調査は、沖縄県の西表島と石垣島で3年間とも5/6月に行った。そして,遺伝的多型の検出にDNAフィンガープリント法を用いて、タカサゴシロアリにおいて近親交配が実際に起こっているか、そのため血縁度が上昇しているか、多巣化によって近隣コロニー間に血縁関係があるかを検証した。 また,クロヤマアリでは、野外調査によって多女王化のしくみを明らかにし、同時に多女王間の血縁関係をDNAフィンガープリント法で解析した。さらに、地域集団における血縁者の分布に、分巣方式の増殖がどのように影響を与えているかを分析した。静岡県富士山御殿場登山口を調査地とした。野外調査は、5〜10月の期間、継続して行った。環境条件、コロニー密度について適切な調査区画(1ヘクタール程度)を設定し、区画内のコロニーのマッピングおよびDNAの実験材料の採集を行なった。野外から取ってきた資料に対してDNAフィンガープリント法を用いて、コロニー内血縁度、近交係数を求めた。王や女王の死亡後から近親交配が始まるとすれば、コロニーの老熟とともに血縁度や近交係数が上昇することが予想できるので、発達度の異なるコロ-間で比較する。マッピングしたコロニー間の血縁関係も推定できた。 オオシロアリにおいては,近親交配が実際に起こっているか、そのため血縁度が上昇しているか、多巣化によって近隣コロニー間に血縁関係があるかを検証した。また、地域集団における血縁者の分布に、分巣方式の増殖がどのように影響を与えているかを分析した。
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