研究課題/領域番号 |
07454216
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡辺 昭 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70023471)
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研究分担者 |
伊藤 正樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10242851)
園池 公毅 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30226716)
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キーワード | _CDNAクローニング / 光合成 / 分岐鎖ケト酸脱水素酵素 / fructose-2,6-bisphosphate / 葉緑体タンパク質 / 糖飢餓 / differential deisplay PCR |
研究概要 |
1.differential deisplay PCR法を用いて、シロイヌナズナ緑葉から暗処理に対応して発現する遺伝子の_CDNAクローンを多数得ることに成功した。これらの_CDNAをプローブとしたnorthernhybridizationによって、それぞれに対応する転写産物の蓄積のタイムコースにいくつかのパターンがあり、暗所における遺伝子発現に複数の制御機構が働いていることが示唆された。 2.1で得られたクローンの塩基配列を決定したところ、すぶに単離解析の進んでいるdin1や分岐鎖ケト酸脱水素酵素の他に、fructose-2-kinase・fructose-2,6-bisphosphatase、α-glucosidaseなどをコードするものであることが推測された。とくに前者は、脂肪酸などの代謝系における解糖系と糖新生の振分けの信号物質であるfructose-2,6-bisphosphateのレベルを決定するかなめである二つの活性をもつ酵素であり、動物で詳しく研究されているが、植物ではその存在が疑問視されていたものである。植物における生理的役割には、暗所で起こる糖飢餓状態に関連してきわめて興味がもたれる遺伝子である。 3.din1のコードするタンパク質が葉緑体に移行することが、試験管内の葉緑体移行実験で証明され、暗所で新たなタンパク質が葉緑体へ輸送されて葉緑体の機能変換が起こることが強く示唆された。さらにスクリーニングを続けたところ、din1以外にも同様の葉緑体タンパク質をコードする_CDNAのクローンが複数単離された。 4.葉緑体のproteaseであるClp proteaseについては、その遺伝氏を試験管内で発現させて得られたタンパク質を本に抗体を作製することができ、今後その精製を行なうための準備が整った。
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