• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

光をエネルギー源として生きる緑葉細胞の暗黒への応答の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 07454216
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

渡辺 昭  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70023471)

研究分担者 園池 公毅  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30226716)
伊藤 正樹  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10242851)
キーワード光合成器官 / cDNAクローニング / 分岐鎖ケト酸脱水素酵素 / シロイヌナズナ / ダイレクトディスプレイRT-PCR / 暗黒への応答 / スプライシングファクター / アスパラギン酸合成酵素
研究概要

光合成器官である緑葉の細胞は、昼間には光合成によって得られるエネルギーを使ってその生命を維持している。ところが夜間には光合成で蓄えられた糖は速やかに消費されてしまい、飢餓状態に陥る。本研究は、緑葉細胞がこのような光のない状態に対応するために必要な遺伝子を明らかにすることを目的として計画された。本年度も、昨年度の引き続きディファレンシャルディスプレイPCR法を用いて暗所に置いたシロイヌナズナのロゼット葉のみに発現する遺伝子のcDNAを探索した。合計11種類のcDNAがクローン化され、その塩基配列を決定して、データベースを探索した結果、この中には、分岐鎖ケト酸脱水素酵素、β-グルコシダーゼやマンノース-6ーリン酸イソメラーゼのように、飢餓状態に対応するための新たなエネルギー源獲得に必要と思われる遺伝子や、アスパラギン合成酵素のように窒素代謝に関連するもの、スプライシングファクターやRAD23遺伝子のホモログのように遺伝情報発現や除去修復に関与するものが見られた。これらの遺伝子は、暗処理への発現応答の時間パターンの解析から、速やかで一時的に発現するもの、速やかで長時間発現が継続するもの発現に24時間以上の暗黒を必要とするもの、という三つのグループに分けられた。またそのほとんどは、光の再照射によって発現が停止し、いくつかは糖を補うことで発現が阻止されたり、明所で老化を開始した葉での発現が確認され、飢餓状態への応答や暗黒条件におかれた緑葉の老化が促進される現象とのつながりが示唆された。
これらの遺伝子のうち、興味深い機能をもつものについては、大腸菌の発現系を用いた酵素活性の検出、酵母突然変異株の相補等によってその機能を確認することを計画しており、特徴的な発現パターンを示すものについては、抗体の作製、発現の組織化学的な検討、遺伝子クローンの単離とプロモーターの解析を計画している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ito,M.,et al.: "Cell-cycle regulated transcription of A-and B-type plant cyclin genes in synchronous cultures" Plant J.印刷中 (1997)

  • [文献書誌] Sonoike,K.: "Degradation of psaB gene product,the reaction center subunit of photosystem I,is caused during photoinhibition of photosystem I:Possible involvement of active oxygen species" Plant Sci.115. 157-164 (1996)

  • [文献書誌] Sonoike,K.: "Photoinhibition of photosystem I:Its physiological significance in the chilling sensitivity of plants" Plant Cell Physiol.37. 239-247 (1996)

  • [文献書誌] Ishibashi,M.,et al.: "Photosynthesis during rain treatment:Identification of the intersystem electron-transport chain as the site of inhibition" Plant Cell Physiol.38(印刷中). (1997)

  • [文献書誌] Ono,K.,et al.: "Interaction etween nitrogen deficit of a plant and nitrogen content in the old leaves" Plant Cell Physiol.37. 1083-1089 (1996)

  • [文献書誌] Wu,G.and Watanabe,A.: "Import of modified D1 portein and its assembly into photosystem II by isolated chloroplasts" Plant Cell Physiol.38(印刷中). (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi