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1997 年度 実績報告書

複合葉緑体の起源とそれを持つ植物との分子系統額的解析

研究課題

研究課題/領域番号 07454232
研究機関山形大学

研究代表者

原 慶明  山形大学, 理学部, 教授 (60111358)

キーワード細胞内共生 / 複合葉緑体 / 進化共生体 / ヌクレモルフ / クロララクニオン植物 / 分子系統解析 / EF-Tu / 2次共生
研究概要

本研究では細胞内共生と生物の多様性の関係を、光合成器官の起源と獲得に焦点を絞り、比較細胞額系手法と分子系統額系手法を用いて解析することを目的として実施した。本研究では2つのカテゴリーを設定して攻究した。第一は既に報告された種々の光合成生物の細胞内共生の情報と本研究で得た成果に基づいて、複合葉緑体の成立とそれ持つ生物の進化的意義と多様化の過程を細胞の微細攻防に着目して研究を進めた。第2はクリプト藻類と同じく、進化共生体(evolutionary chimera)と呼ばれ、葉緑体の起源となる真核光合成生物の核の名残りがヌクレオモルフ(nucleomorph)として保有しているクロララクニオン植物を対象として、この植物の宿主とさあ内共生した共生体の起源生物を18SrRNA、rbcLあるいはEF-Tu遺伝子の塩基配列、あるいはアミノ酸配列の相同性に基づいて分子系統学的な推定を実施した。
第1カテゴリーでの成果は、生物種の多様性に及ぼす細胞内共生の影響を、宿主と共生体の組合せの多様性、細胞内共生後に起こる細胞構造と遺伝支配の統合の度合による多様性、進化過程で生じた細胞内共生の回数による多様性に分けて検討した。第2のカテゴリーではクロララクニオン植物の葉緑体の光合成色素組成がプラシノ藻のそれと酷似していることから、その起源はプラシノ藻ではないかとの推察があり、そのことを念頭に置き、各種遺伝子に基づく分子系統樹を構築・検討した。クロララクニオン植物の葉緑体EF-Tuはプラシノ藻ではなく、アオサ藻類のハネモと姉妹群を形成すること、プラシノ藻の葉緑体EF-Tuはミドリムシ植物と姉妹群を形成することが判明した。一方、宿主の起源生物は18SrRNA遺伝子による分子系統解析で、原生動物のeuglyphinidsやcercomonadsと姉妹群を形成した。従って、この植物はeuglyphinidsやcercomonadsと近縁の原生動物を宿主とし、そこにハネモと近縁のアオサア藻網に近縁な真核光合成生物が細胞内共生して成立したことを明らかにした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 原慶明, 他5名: "Evolutionary divergance in thered algal caloylossa lipierurin and C. apomeiotica (cromiali, pholophyta)." J. Phycol.34 (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] 原慶明, 他5名: "The origin of chlorarachniophyte plastids, as infferred flom phylo genetic comparisons of amino acid sequences of EF-Tuc." J. Mol. Evol.45. 682-687 (1997)

  • [文献書誌] 原慶明, 他5名: "Comporative morphology, crossability, and taxomomy within the caloplossa leprieuric (Delessoriacea. pholophyta) complex from" J. Phycol.33. 97-105 (1996)

  • [文献書誌] 原慶明, 他5名: "Osmoproteitors in some species of Japanese mangeour macro algal." Phycol. Res.44. 109-112 (1996)

  • [文献書誌] 原慶明, 他5名: "Taxomonic studies on the chlorarachniophyta. II Genetic delimitation of the chlorarachnit phytes and description of Gynonschlora" Phycol. Res.44. 37-45 (1996)

  • [文献書誌] 原慶明(分担): "藻類多様性の生物学" 千原光雄編著 内田老鶴圃, 386 (1997)

  • [文献書誌] 原慶明(分担): "生物人種多様性" 岩槻邦男・馬渡峻輔編 裳華房, 342 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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