研究概要 |
シダ植物についてのバイオシステマティクス研究のうち,ホウビシダ属の分子系統学的研究に成果があり,また,雑種起源の種分化の解析にイソ酵素をマーカーとした研究手法を確立するために,オシダ属やホラシノブ属を材料とした研究も参考とした.これらの研究を通じて,ホウビシダ属の属としての独立性にほぼ完全な証拠を提供し,属内のほとんどの種の分子系統学的解析を行った。このうち,とりわけrbeLをマーカーとしたホウビシダ属の分子系統学的解析については,ほぼ完全な確からしさ(100%)でホウビシダ属のチャセンシダ属からの独立性が、前者の6種,後者の19種について確認された.また,ヒメタニワタリ(属)はホウビシダ属と同一であり,それもホウビシダとごく近縁種であることが示された,中南米に分布するホウビシダ属も旧世界のものと単系統であることが示され,いずれもホウビシダ属の独立性を支持した. コケシノブ科については,マレーシア地域の種の研究を進めたものの,まとまった成果を報告するには至っていない.
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