研究課題/領域番号 |
07454233
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
岩槻 邦男 立教大学, 理学部, 教授 (10025348)
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研究分担者 |
村上 哲明 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60192770)
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キーワード | シダ植物 / 分子系統学 / ホウビシダ属 / コケシノブ科 / 東南アジア / マレーシア植物誌 / イソ酵素 / ウチワゴケ |
研究概要 |
1)ホウビシダ属については、アジア産の各種についての種生物学的研究、とりわけ分子系統学的研究を推進した。 1-1)タイで調査をしたときに採集した資料のうち、ドイインタノンで採ったもののうちに、ウスバクジャク近似で、明らかに新種と認められるものがあり、分子系統学的解析を含む総合的研究の結果、ウスバクジャクモドキ(仮称)として新種記載の準備をしている。間もなく論文が準備できるはずである。この新種を加えることによって、ウスバクジャク近傍の種分化の実体がますますはっきりしてきた。 1-2)東南アジアはホウビシダ属の分化がもっとも活発な地域である。タイ、インドシナ、インドネシアにおいて、多様な資料の収集を行い、生材料を日本へ持ち帰っているので、様々な角度からの研究を行った。この属を構成する種のほとんどについて、分子系統学を含む解析が行われたので、本研究の成果として、東南アジア域の種のレヴィジョンをとりまとめるており、本研究の終了までに論文が完成する予定である。 2)コケシノブ科については、マレーシア植物誌のためのレヴィジョンを行っており、そのための種生物学的研究を進めた。 2-1)マレーシア植物誌のための原稿は、本研究の終了までに完成はしなかったものの、おおむねできあがっており、近く刊行される予定である。 2-2)ウチワゴケの種生物学的解析については、イソ酵素による解析の手法をほぼ確立したが、材料の収集に手間取り、本研究期間中に論文にまとまるだけの成果をあげることができなかった。 3)参考として、イソ酵素をマーカーとした解析によるナンカイイタチシダの変異の解析を論文にまとめ、発表した。
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